「クローバーフィールド」 2007年 アメリカ
クローバーフィールド/HAKAISHA スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- 発売日: 2008/09/05
- メディア: DVD
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久々に、映画館で衝撃を受けた映画だ。観終わった後、スクリーンを呆然と見つめている俺がいた。これはまったく新しい映画だ!!!もうすでに今年の映画No.1が決まったかもしれないと思うほどの映画である。それほどの衝撃だった。
ジャンル分けするとするとパニック映画である。でも従来のとモノとはまったく違う、ジョーズが初めて世に出たときにはこんな衝撃だったんだろうなと思う。日本の怪獣映画からヒントを得た映画らしいが、それをまったく新しい形でオマージュしている。
"何か"がマンハッタンに上陸して、暴れまくる。普通ならその怪獣にフォーカスするところだが、この映画では逃げ回る人々にフォーカスする。ムスカがいたとすれば、「見ろ!人間がゴミのようだ!」と言うに違いない人々(笑) でもその"ゴミ"のような人間にドラマがあったとすれば?
ブレアウィッチプロジェクトはクソ映画で、観たときには酔ってしまったが、この映画も同じハンディカムを使うという手法ながら俺は酔わなかった。それほど集中してしまったんだ。死と隣り合わせなら酔ってなんていられないのと同様にね。
あらすじ
ロブは飛び切りの美人ベスと甘い夜をすごした。でもベスを振ってしまう。なぜならロブは副社長として日本に赴任することが決まってしまっていて長距離恋愛になってしまうからだ。
ロブの送別会パーティーの夜。友人や兄弟が集まり盛大に祝ってもらうが、ベスとケンカをしてしまう。パーティーも終盤に差し掛かったとき、地震が起きる。あわてて、屋上に上ってみると、巨大な爆発が起きているではないか!
"何か"が起こっている。テロがまた発生したのだろうか?とにかくマンハッタンから逃げなければ…!!
<ここからネタバレの可能性あり!!>
この映画は本当に凄い!ハンディカム撮影という手法と、"怪獣から逃げ惑う人"を主人公にするというアイデア、ベスとの甘い夜を節々に入れるというアイデア、それぞれが欠く事のできない要因である。どれかがかければ、これまでにあるような映画になってしまっていた可能性があり、この3つが合わさったことにより、相乗的に効果を発揮し、まったく新しいジャンルになり、観客にあたえる印象を爆発させたと言えるだろう。そう、"サメ"でもなく、"隕石"でもなく"怪獣"なのだ。だけど、"怪獣"は"何なのか"は関係ないのだ(笑)
今までゴジラとかを観ていて、人間なんてどうでもよかった。バラに添えられるカスミソウ程度なのだ。そういうイメージが頭の中にこべりついていたのだ。それを主人公にしようというアイデアは外国人ならではではないだろうか。でもちゃんとゴジラ的ルールも守っている。それは軍隊の攻撃はまったく意味がないということ(笑)
ロブとベスの甘い関係も、この緊迫状況だから活かされる。でもなんかボルケーノとかダンテズ・ピークだったら、パニックだけど冷静に考えられる気がするんだ。だけど、得体の知れない怪物だからロマンチックになる気がする。そう、きっと溶岩から逃げてるんだったら、俺は感情移入しなかったかもね。
ハンディカム撮影のよさをフルに活かした作品と言える。9.11のような事件でも人々はハンディカムで撮影し、世界中に放映された。その映像に入っている悲鳴はまさに本物であり、心を揺さぶられる。"映画的文法"を守った映像であれば、きっと見てる側は冷静に頭の中で分別できてしまったのではないだろうか。もちろんクローバーフィールドは映画とわかっていてもこの手法により、"ついつい"本物と間違ってしまうのだ。
また、この手法により時々入ってくるロブとベスの甘い関係。これが、最後のシーンの伏線となる。もちろん最後の伏線としてだけでなく、極限状態の間に平凡な甘い時間をはさむことでその差を強調することもできて、一石二鳥にも三鳥にもなるアイデアでもあったのだ。
しかし、最後のシーン。本当に悲しかったなぁ。パニックだけでもなくてこの冷静に考えれば甘ったるい関係もなんでこんなキレイになるのか。よかったなぁ。
ちなみに最後のシーンの橋って俺いったことあるかも。25時の最後の橋の下も行ったことあるかも。まぁどうでもいい話だけど(笑)あと、ジェイソンが死んだことを母親に告げるシーンもジーンと来た。あれは悲しいシーンだよね。
いやー、まだ興奮から冷め止まない!